赤津焼を中心に、和食器の暮らしを探求する
瀬戸には瀬戸焼の神様が二人います。
一人は「陶祖」と呼ばれる、13世紀の鎌倉時代の人で「加藤四郎左衛門景正(通称:陶四郎)」です。
もう一人は、「磁祖」と呼ばれる、18世紀の江戸時代の人で「加藤民吉」です。
4月に行われる、せと陶祖まつりは、「陶祖」のお祭りで、9月に行われる「せともの祭」は「磁祖」のお祭りです。
陶祖まつりよりも、せともの祭りのほうが、歴史が古く、開催規模も大きいので、比べるとどうしても地味に感じます。
名鉄瀬戸線の尾張瀬戸駅を降りて、すぐ隣にある商業ビル「パルティせと」のバスローターリーです。
今日はお祭りなので、せとものの廉売市や、露天が並んでいます。
まだ、早い時間なので人がまばらですね。
ここは、若手作家市が行われている「青の広場」です。
去年までは、赤津の三峰園窯 加藤達伸さんもここにテントを構えていましたが、流石に「若手」と言うには無理があるので「せとまちツクリテセンター」での個展開催となっていました。
赤津焼は、伝統的なせとものの器を作っている窯元がほとんどです。そのため、「赤津 窯の里めぐり」で買ってくる器も、伝統的なものになってしまいます。
「若手作家市」に出店している若手作家の作品はどれも、伝統よりも感性を重視した作品で、個性的で面白いものが多く、気になる器もたくさんありました。
赤津の伝統作家の作品が「芸術」とすれば、若手作家の作品は「アート」という感じですね。
いつも、思うのですが、手作りで手間のかかったアート作品が手頃な価格で買えるなんて夢のようですね。
で、今回の注目の作家さんがこれ
「白井 渚」さんです。
つや消しの白い磁器に黒色を主体とした文様を描いています。
モダンデザインという感じで、とてもスタイリッシュな雰囲気があります。
洋食器とか和食器とかの分類ではなく、デザイナーズ食器と呼んだほうが良いですね。
というわけで、買ってしまいました。
大体、2合程度入ります。
よいかんじで、歪んでますね。
裏から見るとこんな感じです。
スタイル重視なだけでなく、実用面でも、よく考えて作られています。
横方向に潰れた形なので、倒れやすくなるのですが、底を厚くつくることで、底が重くなり、重量バランスを下方向に下げる工夫がしてあります。
なので、液体を入れても簡単には倒れにくくなっています。
また、底を丸くすることで、バランスがくずれにくいようにしてあります。
注ご口も、返しが付けてあり、口先から液だれしにくい形状になっています。
赤津の「飽津窯」宮地さんの織部の四方皿と並べてみました。
良い感じでマッチしていますね。
宮地さんの四方は、去年の赤津窯の里めぐりで購入したものです。
小さなぐい呑みは、前回レポートした、「市之倉陶祖祭」で購入したものです。
祭りの同時開催として、瀬戸蔵の4階で「瀬戸陶芸協会」「瀬戸伝統陶芸協会」による「春の陶フェスタ 展覧会」が開催されていました。
逸品が並んでいて、良い目の保養になりました。
展覧会と同じ場所で、「ノベルティ こども創造館」による、「磨いて粘土宝石」が行われていたので、子供と参加しました。
上の写真は、そこで作成した粘土玉です。
1時間ぐらいかけて磨くと、ただの粘土の塊だったものがピカピカの大理石や御影石みたいな感じになります。
子供二人分で、始めたのですが、下の子がそうそうに飽きてしまったので、僕が磨くことになりました。
無心で豆粒ほどの粘土玉を磨くのは「マインドフルネス」な感じがして、新鮮で気持ちの良いものでしたよ。
天来カニで良い物も見れたし、粘土玉でマインドフルネスしたし、白井渚さんの器も発見できて、本当に楽しく過ごせた1日でした。