赤津焼を中心に、和食器の暮らしを探求する
今年も春の「赤津 窯の里めぐり」へ行ってきました。 春の窯めぐりでは、土曜か日曜のどちらかで雨が降る事が多いですね。 いつもは、天気予報をみて、晴れた日に出かけるようにしていますが、今年は都合もあって、雨の日曜に赤津へ行きました。 去年の春から参加している「翠窯(すいよう)」です。 この日は本当に雨が強くて、窯の前に水が溜まってしまい、大変でしたね。 初めての窯訪問なので、楽しみにしていました。 前回の秋の窯巡りで「見たことのない窯が増えてる?」と気がついたのですが、ちょっと遠かったので行けませんでした。 窯番号は36で、西のハズレの方です。 ちなみに、窯番号は「赤津焼会館」から、近い順に番号を振ってあるそうです。 で、新しい窯の場合、空いた番号から距離を勘案して番号が振られるそうです。 ということは、以前の36番は違う窯だったのですね。 今でも、飛鳥窯が40番なので、多いときで40件近い窯が公開されていたということですね。 今回は24件が公開されています。 このサイトを作った2008年の過去の記事を調べてみると、当時は40件ほどの窯が公開されてたようですね。 徐々に減っていき、最近は「三次五三(みよし いつぞう)」と「翠窯(すいよう)」が新しく増えた感じですね。 新しい窯元が増えると楽しいですね。 翠窯の中です。
子供が本のしおりを作らせてもらいました。 翠窯の作家の穴山大輔さんが栃木の出身だからでしょうか? 益子風の日常使いの食器に、赤津の7釉を単品で施したものがメインです。 また、別のラインとして、あたたかみのある染め付け(呉須)の器もありました。 赤津焼会館で展示してあるテーブルコーディネートは、益子風のカレー皿に、呉須のそば猪口湯呑みですね。 スタンプラリーで翠窯が当たったよ!なんと、今回スタンプラリーの景品で翠窯の角皿をゲットしました! ちょっと気になっていたので、すごく嬉しいです。 早速、うちに帰って使っても見ました。 いやー思ったより、難しいですね。 赤津のお皿は、器に柄が描かれているものが多いので、適当に食材を載せても見栄えが良いのですが、当たった翠窯のお皿はほとんど無地なので、ちゃんと考えないといけません。 と、言うわけで、次の日にもリベンジしました。 うーん、なにかまだ足りない。 ケーキとか、アイスクリームとかのデザート系があうのかな? また機会があれば、試してみたいですね。 瀬戸には瀬戸焼の神様が二人います。 一人は「陶祖」と呼ばれる、13世紀の鎌倉時代の人で「加藤四郎左衛門景正(通称:陶四郎)」です。 もう一人は、「磁祖」と呼ばれる、18世紀の江戸時代の人で「加藤民吉」です。 4月に行われる、せと陶祖まつりは、「陶祖」のお祭りで、9月に行われる「せともの祭」は「磁祖」のお祭りです。 陶祖まつりよりも、せともの祭りのほうが、歴史が古く、開催規模も大きいので、比べるとどうしても地味に感じます。 名鉄瀬戸線の尾張瀬戸駅を降りて、すぐ隣にある商業ビル「パルティせと」のバスローターリーです。 今日はお祭りなので、せとものの廉売市や、露天が並んでいます。 まだ、早い時間なので人がまばらですね。 ここは、若手作家市が行われている「青の広場」です。 去年までは、赤津の三峰園窯 加藤達伸さんもここにテントを構えていましたが、流石に「若手」と言うには無理があるので「せとまちツクリテセンター」での個展開催となっていました。 赤津焼は、伝統的なせとものの器を作っている窯元がほとんどです。そのため、「赤津 窯の里めぐり」で買ってくる器も、伝統的なものになってしまいます。 「若手作家市」に出店している若手作家の作品はどれも、伝統よりも感性を重視した作品で、個性的で面白いものが多く、気になる器もたくさんありました。 赤津の伝統作家の作品が「芸術」とすれば、若手作家の作品は「アート」という感じですね。 いつも、思うのですが、手作りで手間のかかったアート作品が手頃な価格で買えるなんて夢のようですね。 で、今回の注目の作家さんがこれ 「白井 渚」さんです。 つや消しの白い磁器に黒色を主体とした文様を描いています。 モダンデザインという感じで、とてもスタイリッシュな雰囲気があります。 洋食器とか和食器とかの分類ではなく、デザイナーズ食器と呼んだほうが良いですね。 というわけで、買ってしまいました。 大体、2合程度入ります。 よいかんじで、歪んでますね。 裏から見るとこんな感じです。 スタイル重視なだけでなく、実用面でも、よく考えて作られています。 横方向に潰れた形なので、倒れやすくなるのですが、底を厚くつくることで、底が重くなり、重量バランスを下方向に下げる工夫がしてあります。 なので、液体を入れても簡単には倒れにくくなっています。 また、底を丸くすることで、バランスがくずれにくいようにしてあります。 注ご口も、返しが付けてあり、口先から液だれしにくい形状になっています。 赤津の「飽津窯」宮地さんの織部の四方皿と並べてみました。 良い感じでマッチしていますね。 宮地さんの四方は、去年の赤津窯の里めぐりで購入したものです。 小さなぐい呑みは、前回レポートした、「市之倉陶祖祭」で購入したものです。 祭りの同時開催として、瀬戸蔵の4階で「瀬戸陶芸協会」「瀬戸伝統陶芸協会」による「春の陶フェスタ 展覧会」が開催されていました。 逸品が並んでいて、良い目の保養になりました。 展覧会と同じ場所で、「ノベルティ こども創造館」による、「磨いて粘土宝石」が行われていたので、子供と参加しました。 上の写真は、そこで作成した粘土玉です。 1時間ぐらいかけて磨くと、ただの粘土の塊だったものがピカピカの大理石や御影石みたいな感じになります。 子供二人分で、始めたのですが、下の子がそうそうに飽きてしまったので、僕が磨くことになりました。 無心で豆粒ほどの粘土玉を磨くのは「マインドフルネス」な感じがして、新鮮で気持ちの良いものでしたよ。 天来カニで良い物も見れたし、粘土玉でマインドフルネスしたし、白井渚さんの器も発見できて、本当に楽しく過ごせた1日でした。 前回案内した、「市之倉陶祖祭&幸兵衛窯蔵出し市」に行ってきました。 4/8の日曜日に行きました。 途中で雨がぱらついたり、気温が低かったりでちょっと大変でしたが、楽しかったです。 特に気温は直線の金曜日が20℃もあったのに、この土日は10℃程度までした気温が上がらず、曇り空でとても寒く感じました。 9時開始に合わせて、9時15分ごろ、会場駐車場に到着。 まだこの時間だと、駐車場はガラガラですが、昼過ぎの帰る時間には、ほぼ、いっぱいになっていました。 市之倉の全体はこんな感じです。 市之倉川に沿った山間の開けた東西に長い地形です。左下の飛び地は、ニュータウン団地です。 メインの幸兵衛窯は後に行くことにして、西の方から歩いて回ります。 東の端から西の端まで2km程度の距離でしょうか。 駐車場からなら、西の端まで歩いても、15分かからない程度の距離感です。 また、巡回バスがグルグル回っているので、ラクに移動することもできます。 廣千窯さんです。 窯のしたに、染付の飾られた「なにか」が展示されていて、「アヤシイ雰囲気」ですが、 実際に窯元のギャラリーは丁寧な作品が飾ってありました。特に志野の茶碗が良かったです。 八幡神社には、陶器の天井画が奉納されています。 結構見応えがあります・ そんなこんなで、幸兵衛窯に到着。 幸兵衛窯には、一旦駐車場に戻って、巡回バスを利用して行きました。 歩いて行っても、10分程度なのですが、子供がバスに乗りたいというので、「わざわざ」バスで移動することになりました。 賑わっていますね。 とりあえず、11時なのでお昼にします。 パン屋さんとカレー屋さんの出店です。 これ以外にも、蕎麦、恵那川上屋、揚げ物、ビールと下手なお祭りよりも充実した出店が並んでいます。 まずはパン屋さんの、手作りハムのサンドイッチ。 ハムがおいしいです。ハムというよりパテと言った良い感じの食感と味です。 味付けもサッパリで、レタスとの相性が良かったです。 パンは、噛みごたえがあるタイプ。 パンだけでもおいしいのですが、サンドイッチにすると、噛みづらくてちょっと食べづらいかな。 これは、カレー。 かなり本格的なカレーです。 2005年に愛知県で開かれた万博のパキスタン館で食べたカレーを思い出します。 香辛料と素材の持ち味だけで作られている感じです。 子供でも食べられる辛さでした。 とんがった部分がないので、一口食べて「おいしい」というタイプではなく、食べていくうちおいしさがじんわりと来るタイプのカレーでした。 手打ちそばも食べてみました。 写真は暖かいそばですが、ざるそばもありました。 この日は、予想より大幅に寒かったため、暖かいそばを食べました。 ちなみに、ざるそばも食べました。 そばの風味が感じされる、おいしいそばでしたね。 細切りですが、ボソボソすることなく、つなぎの小麦粉も少ない感じでしたので上手だと思います。 ただ、出汁は普通でした。そばが良かっただけに、余計にそう感じてしまいます。 陶磁器祭りに行った割には、食べてばっかりでしたが、お宝もゲットしてきました。 市之倉には市之倉さかづき美術館があるぐらい、酒器の生産数が日本でも有数な産地です。 磁器の染付から、青磁、陶器の織部や志野、引き出し黒など、なんでもありです。 ないのは、備前焼のような焼き締めぐらいかな。 目にしなかっただけで、探せば焼き締めの酒器もあるかもしれません。
この杯は「喜山窯」で購入したものです。 なんでも、ずいぶん古いもので、手作りの小さな杯です。卵よりも小さいです。 とても薄く作られていて、紙みたいです。 染付の絵も細かくて、染付で描かれた子供は身長2㎝です。 今はとても作ることができないそうです。 以前、外国の方が、煎茶用の器として購入したことがあるそうです。
今回もとても楽しいお祭りでした。 赤津の窯の里巡りもそうですが、産地を歩きながら巡れるのが楽しいですね。 次回もぜひ食べに行きたいですね。 岐阜県多治見市で行われる、市之倉陶祖祭の案内です。 多治見市と隣の土岐市は「美濃焼」とひとくくりに扱われていますが、窯元は各地区に別れて集落を作っています。 各集落ではそれぞれに歴史と特色があり、陶祖祭のような催しは各地で個別に行われています。 今回は多治見市の中の「市之倉」での陶祖祭です。 毎年、陶祖祭と同じタイミングで行われるのが「幸兵衛窯蔵出し市」です。 幸兵衛窯は市之倉を代表する窯元です。 市之倉陶祖祭の協賛催事となっていますが、個人的には「こっちが本命」だと思っています。 市之倉陶祖祭のメイン会場と幸兵衛窯はちょっと離れていますが、歩いて数分の距離なので絶対に両方共行くべきです。 一昨年(2016年)に訪れた記事があるので参考にしてください。 市之倉陶祖祭&幸兵衛窯蔵出し市
新年あけましておめでとうございます。 久々の更新で、ちょっと緊張気味です。 美山陶房の寺田鉄平さんから、ギャラリーでの展覧会開催の案内が届いたので、紹介します。 この記事の前に、去年の11月に開催された、「赤津 窯の里めぐり」のことを書こうと思っていたのですが、その前に、寺田さんから展覧会の案内状が届いたため、急遽こちらを先行して連絡いたします。 毎度のことなんですが、案内が届くのが、開催日の直前なんですよね。。。 鉄平さん、やる気マンマンなのか、3つのギャラリーで、3つの展覧会を同時期に開催するそうです。 頑張ってますね〜。 新春さかづき展 : 市之倉さかづき美術館はじめに紹介するのは、岐阜県多治見市の市之倉さかづき美術館で開催される、「新春さかづき展」です。 市之倉さかづき美術館市之倉さかづき美術館は、岐阜県多治見市の市之倉にある、美術館です。 多治見市や隣の岐阜県土岐市は、美濃焼の産地として有名なところですね。 赤津焼が、大きくは瀬戸焼の中に含まれている場合があるように、美濃焼の中でも地区によって、異なる個性があります。 市之倉も、赤津の様に地区全体としてひとつの「窯の里」を形作っている場所です。 地区内には人間国宝の加藤卓男の窯元「幸兵衛窯」もあり、市之倉さかづき美術館に訪れた際は、一緒に幸兵衛窯も行くべきだと思います。 新春さかづき展開催期間:2018年1月5日(金)〜2018年2月4日(日) 開催場所:市之倉さかづき美術館 住所:岐阜県多治見市市之倉町6-30-1 TEL:0572-24-5911 開館時間:10:00〜17:00 開館日:火曜休み 出展
7名の作家による 新年の祝い:ギャラリー祐名古屋市昭和区にある、Gallery祐(ギャラリーゆう)での展覧会です。 作家さんの器で、お茶や、食事などができるイベントも開始するようです。 器に、食事を盛って使うことができるのは良いですね。 本当にその器が自分にあるのかはつかてみないとわからないですからね。 特に今回のイベントでは、フレンチを対象としてるのが面白いですね。 織部なんかは、料亭や旅館などで会席を食べれば、必ず1枚は出てくるのですが、フレンチのレストランで出てくることはめったにありません。 でも、実際に自宅で食べる場合、「フレンチ」とは言えませんが、洋食は作る機会のほうが多いものです。 こんな時に、織部は大変に都合が良いのですよ。 ノリタケの洋食器などは、とても美しいのですが、あれば「額に入ったカンバス」ですね。 額の装飾はとても素晴らしいのですが、中心部分は無地のカンバスです。料理を使って描く必要があります。 メイン料理だけでは、さみしいので、なにか一緒に盛って飾り付ける必要があります。 この時に、生野菜なんかを添えると、「定食」になってしまうのでNGです。 やはり、ソースや、焼き野菜、炊合せ的なものが良いですが面倒ですよね・・・。 そんなとき!織部であれば、メイン料理だけで十分です。 ノリタケが「カンバス」としたら、織部は「着物」ですね。料理を包み込んでくれます。 メイン料理だけを器に盛れば十分です。 この時に難しいのが「着こなし」ですね。 キャンパスであれば、料理でを引き立てるので料理次第ですが、着物の場合、料理との相性があります。 というわけで、長くなってしまいましたが、料理を載せた状態で器を試用できるのは嬉しいというわけです。 開催情報開先期間:2018年1月13日(土)〜28日(日) 住所:〒466-0815 愛知県名古屋市昭和区山手通3丁目24−1 シンシア山手2F TEL:052-861-1330 イベントURL:http://gallery-u.net/2017/12/01/post-185/ 時間: 火〜金 11:00-16:00 土・日 11:00-17:00 月曜休廊 作家
イベント 「プチ・オープニング」(無料:どなたでも参加可能)13:00-16:00作家さんの器でお茶とお菓子の時間を。ぜひお気軽にお越しください。 「オープニングお食事会 "新年の宴"」(予約制:5000円:飲み放題)18:00開場 18:30開始作家さんの器を使って、フレンチレストラン"ル・クーリュズ"の素晴らしい料理を提供。作家さんとの会話も食事のスパイスに。 角角展:キャラリー北岡技芳堂酒器をメインに、「角のある器」の展覧会です。 ギャラリー北岡技芳堂は、骨董品店のようなので、ギャラリーで開催される展覧会ついでに、骨董品も見ることができるようですね。 以下の情報は、ギャラリー北岡技芳堂の展覧会情報からの転載です。 【会期】 2018 年1 月24 日(水)〜1 月30 日(火) 営業時間:10 時〜18 時 / 最終日は16 時まで / 会期中無休 【会場】 ギャラリー北岡技芳堂 〒460-0011 名古屋市中区大須3-1-76 大須本町ビル1F 052-251-551 【出品点数】 かくかくした作品を5〜6 点ほど (三角・四角・六角・八角などの酒器を中心とした作品、花入など) 【出展作家の方々】 新学 加藤亮太郎 佐藤竜馬 澤克典 清水万佐年 須賀文子 鈴木都 鈴木大弓 鈴木義宣 谷本貴 寺田鉄平 西岡悠 服部竜也 福島一紘 村山健太郎 山口真人 山田想 山本淳平 渡辺愛子 渡辺敏史 |